平成15年度卒業論文テーマ

各人1つのテーマを担当し、研究の計画から実験装置の設計、試作、データ計測、論文執筆のまでのプロセスを経験し、一人でやり遂げる形式をとっています。ただし、技術的なアドバイスは指導教官や研究室のスタッフが適宜行ないます。今年度の4年生向けテーマはすべて、環境問題対応で関心を集めている小型分散エネルギーシステムの中核をなすマイクロガスタービンと未利用資源有効活用に繋がるバイオマスガス発電システムに関係するハードウェアがらみの研究開発です。基礎知識が不足していることを心配する人もいるかもしれませんが、当研究室ではPBL(プロジェクト・ベースト・ラーニング)を取り入れており、4年生の技術的なレベルアップのための様々なトレーニングコースが用意されています。その内容についてはホームページのH15年度4年PBL(Problem Based Learning:創成教育)の部分をご参照下さい。なお、金子研究室の「マイクロガスタービンによるバイオマスガス発電システム」に関する研究は、文部科学省リーディングプロジェクト「一般・産業廃棄物・バイオマスの複合処理・再資源化プロジェクト」のテーマの一つとして行われています。

研究室説明会:4月9日(水)12-13時および11日(金)の17-18時、8-619号室にて

バイオガス対応マイクロガスタービン駆動用模擬ガス製造システムの試作(1名)

未利用資源として注文されているバイオマスガスとは、木材チップ、建設廃材、汚泥・ビール工場等からの発酵ガスを指します。研究室では、バイオマスガスに含まれるメタンやCOを主成分とする模擬ガス製造装置を試作しています。このテーマでは、これら主成分を混合するための装置を設計し、模擬ガスの状態監視が可能なシステム作りを行います。

バイオガス対応マイクロガスタービン運転監視システムの試作(1名)

工学部8号館地下0021号室には、都市ガスで駆動される出力7.5Kw級マイクロガスタービンが設置されています。森君(M1)と徐君(M2)の研究によって、マイクロガスタービンを目標回転数で安定に運転することの出来る制御システムの基礎が確立されています。今年度は、現在試作中のバイオガス対応マイクロガスタービンを、バイオマスを模擬した模擬ガスによって安全に運転することが可能な運転監視制御システム作りを行います。

マイクロガスタービンガス供給系脈動対策装置の試作(1名)

マイクロガスタービンを都市ガスで駆動するときには、ガス供給配管に圧力脈動が発生しガスメーターなどに悪影響を及ぼすことが知られています。特に、既存のビルに小型分散エネルギーシステムを導入する際には限られたスペースで有効な脈動防止対策をとる必要が有ります。3葉のルーツブロアを用いた小型の脈動防止システムの設計製作を行い、実際に8号館地下0021号室のマイクロガスタービンシステムに設置し、その効果を確かめます。

ガス供給系配管で発生する圧力脈動と膜式ガスメーターの挙動解析(1名)

マイクロガスタービンを都市ガスで駆動するときには、ガス供給配管に圧力脈動が発生しガスメーターなどに悪影響を及ぼすことが知られています。通常は膜式ガスメータが使われていますが、脈動流を流した場合のガスメータの測定精度についての研究は例がありません。昨年度からの機構解析に引き続いて今年度は、動力学的な立場からの研究を行います。

ガス流量測定用超音波センサーの開発(1名)

マイクロガスタービンを都市ガスで駆動するときには、ガス供給配管に圧力脈動が発生しガスメーターなどに悪影響を及ぼすことが知られています。膜式ガスメータに換わる脈動の影響を受けにくい超音波を使った高精度の流量計を開発し、脈動周波数と脈動レベルと測定との関係を調べます。